『劇場版 アイカツ!』感想/きみは太陽

 

■ レイトショーで見た

・ほんとすごく良かった。ちょっとまだあふれる喜びをまとめられる気がしないのでファーストインプレッションを書きます

・ストーリーの流れとか書いてないので見た人向け

・見に行ったレイトショーは上映終了が11時過ぎということで大人のみ

・さすがに年齢層と時間の関係もあってシアター内に自分を入れて7人くらいしかいない

・おそらく序盤ですぐ泣くだろうと思っていたので人が少ないのは助かった

 

 

※以下ネタバレ注意

 

■ スターライトアイドルライブ(学園定期ライブ) ではじまり

・「映画がはじまるよ!」って感じでライブ開演シーンでスタート。はじまりのわくわく感が作品内とリンクしてて気持ちが盛り上がる

・スターライトの主要メンバー7人による『SHINING LINE*』で、この時点でもう「いちごちゃんたちが歌ってる! いちごちゃんたちが踊ってる! いちごちゃんたちがスクリーンにいる!」と感動の嵐。ここにいるよ、ここにいるよー、と興奮してしまう

・スターライトのみんながね、劇場のスクリーンでね、もうそれだけでね……

・「一緒に踊ってもいいよ」って感じの台詞(ライブのお客さんに言ってるんだけど劇場のおともだちに言ってるような感じの)があった瞬間、自分の頭の中の女児が嬉しげに踊りだした。飛んだり跳ねたりしている。ちがう。うそをついた。今のはうそだ。踊っているのは自分の心だ。踊りたかったのは自分だ

・ハァ。一ノ瀬かえでさんもひさびさに歌っている。喜びだ。みんなで台詞をつないでいくシーンで一ノ瀬かえでさんから藤堂ユリカ様に合図を送るんですよね。そこでまたね、ああパートナーだなって

・『SHINING LINE*』の「受け取ったバトン次はわたしから渡せるように」のところで、センターの星宮いちごさんと大空あかりさんが手をぱんってやるんですけど、そこがね、またね……。ほんと好きなんですよこの歌。ウウ……

・ドレスもシュガーシリーズコーデで統一感あって本当にきれいだった

・それにしても大空あかりさん待遇いいっていうか、雌伏の時を越えて一気にスター候補生ぐらいの位置にいるなあ。すごいぞ

 

■ 大スター宮いちご祭り開催! わっしょい!

・大空あかりさんと他のスタライ先輩たちのからみ、新鮮でよかった。藤堂ユリカ様の安定のいい先輩っぷりよ

・「大スター宮いちご祭り」という星宮いちごさんのネーミングに顔を輝かせる大空あかりさんの信者っぷり、ほんとどうしようもねえなこいつはって感じ(そういうところ大好き)

・作戦会議に一ノ瀬かえでさんスカイダイブ登場で心はYes! かえで寿司!

・ほんと嬉しい。あのかえで寿司をもう一度の夢を叶えてくれた。ありがとうありがとう

・一ノ瀬かえでさんはね、いい子なんですよ。基本明るくアッパーなんだけど、ふとしたときに本当に慈しみにあふれた優しい顔で優しい声を出すんですよ。大勢で話してるときとか、場に向かって出す発言と隣の子に向けて一対一で話しかけるのとで、声の質が違うんですよ。後者はなんかこう、慈しみがある。そっと卵に触れるような両手で包み込むような優しい声になる。今回の作戦会議シーンもそうだった

・みんな仲良しでうれしい。神谷しおんさんもしっかりいるし

 

■ 路上ライブと花音さん

・涼川さんとの会話シーンのイメージ映像でキングたん出演確認

・花音さんの前で『オリジナルスター☆彡』を見せる制服路上ステージ、通常作画と3DCGが融合する珍しいシーンだけど、違和感なくほんとに踊ってる! って思えてよかった

・曲後半のちょっと引いたカメラになるところ、画面左端のほうにお母さんの横で一緒に踊ってる小さい姉妹の観客とかがいて、街角の喜び感が出てた。なんか画面がちゃんと生きてるっていうか

・このライブシーン、霧矢あおいさんのふっと映る横顔がすごくかっこよく見えた

・ライブ終わったときの花音さんの反応がけっこう好きで、「あんなに踊りながら歌えるなんてすごい、息も切れてないし」って本当そうですよねって思う。普段から絶え間なく鍛えてる様子が描写されてるから説得力あるし(とにかく常に走り込みしてる)、これ当たり前に見えるけど本当はめちゃすごいことなんだよっていうのを登場人物が言葉にしてくれたのがなんか嬉しい

・別府先生ほんといい先生。本当に本当に生徒のことを大事に思ってるんだなって伝わってくる。すごい人なんだけど、生徒にすごいって思われることは距離を取られることにもつながるってわかってるからいつも明るく気さくで、いつだって生徒のためになんでもないよって顔で支えてくれる。花音さんと生徒たちが話してるシーンもそっと見守ってくれる。信頼がある

 

■ 美月さんの引退発言について

・神崎美月さんの引退発言は事前の予告で知ってたけど、実際に神崎美月さんの口から聞いたらなんか、悲しくて悔しくてやめないでって気持ちが自分でも驚くほどあふれてきた

・トゥインクルスターカップ(100話)で、「ゴールの先には新しいスタートがあるんです」っていう星宮いちごさんの言葉に神崎美月さんがハッとした顔するんだけど、自分はそれで神崎美月さんが今ようやく本当にまっさらになって新しいアイドルの姿を、夢を、見つけて歩いていけるんだって解釈したんですよ。今までずっとマスカレードが目標で、トップアイドルとしてアイカツ界を自分が背負うって気持ちもあって、すべてはそこに向かって歩いてきた。それを終えた今、神崎美月さんはいろんなことができるんだって

・夢をつないだらバトンを渡したらそれで終わりってわけじゃなくて、つながって光のラインが生まれたことで、手が触れ合ったことで、渡す側も受け取った側から勇気をもらって、勇気が自分の新しい力になってその先に歩いていけるよ、っていうのが『SHINING LINE*』の歌詞の素晴らしさで。バトンを渡すっていうのは世代交代じゃない、あこがれられる存在は自分にあこがれている人の道しるべになって力をあげられると同時に、そのあこがれの力で自分のところまでやってきてくれた子から新しい力をもらえるっていう。「あこがれは力」っていうのはあこがれの対象になる方にとっても力なんだって意味でもあるというのが『SHINING LINE*』の、アイカツのすばらしさだって思ってたから

・だから、なんで神崎美月さんはそんなこと言うんだよちがうでしょって、真剣に悲しくて悲しくて。引き留められなかった、言えなかったって星宮いちごさんは言ったけど、ちがうよ引き留めてよって。101話で「見送りには行けない」って言った神崎美月さんに対して夏樹みくるさんが見送りにきてよーねえきてってばーって言ったみたいに、わがまま言ってほしいって思って

・でも、星宮いちごさんは神崎美月さんをずっと追いかけてきたから。ずっと道しるべになってくれて、ずっと手を取ってもらってきたって思ってるから。だからここで自分が「やめないで」って言うことは、あるいは「まだ自分を導いて、手を引いて」って意味にもつながりかねないって思っちゃったんだと思う。その言葉を口にしたらダメなところまで自分は登ってきたんだってわかってるから、だから言えなかった。ほかでもない星宮いちごさんだからこそ言えなかった

・それがなんだかつらくて、もうぜんぜん軽口叩けないですよ、神崎美月さんに

・それに、本人にトップアイドルでいつづけることの大変さを漏らされて、その後のシーンでオフになったらやってみたいことっていうのがあんなにたくさんずらーって並ぶくらいあったんだっていうのを見せられたら、もうなんも言えないよ。待つしかないよ

・だから、ありがとう大空あかりさん。連れてきてくれて。ギャラもなしにバンジージャンプまでしてくれて。星宮いちごさんだからこそ言えないことに、大空あかりさんだからこそぶつかっていける。やめるやめない超えたところにある、純粋に星宮先輩の気持ちに向き合ってあげてっていう思いの尊さよ

 

■ みんなで作る大スター宮いちご祭り

・ヨッ! ほしみ屋!

星宮いちごさんはいつでもみんなに支えられて、みんなに力をもらって、それを太陽みたいに輝かせてくれるから、みんなが支えてよかったなって思える。喜びがある

・ステージをみんなも一緒に、っていうのはもちろんサービスもあるんだけど、星宮いちごさんがいちばん楽しいのって誰かと一緒にアイカツすることなんだなって改めて思わせてくれる。星宮いちごさんがすごいのは、ライブ対決とか明確に競う相手もナチュラルに「一緒にアイカツする」ってとらえられること。ライブ対決は対決ではあるんだけど、同じお客さんがいて同じ会場でひとつのイベントで、だったら一緒にこのイベントを作る仲間だよねっていう。2期で美月さんが復帰するって決まったときも「また一緒にアイカツできる」って喜んだんですよね。視点が広いっていうか、アイドルはみんなアイカツ界を作る仲間、みたいな意識がある

・一ノ瀬かえでさんが振り付け担当になったの、将来のキャリアにつながる感じで嬉しい

・天羽あすか先生の反応もじーんてきた。今まではドレスの力を借りる感じで、ドレスにふさわしいアイドルとして認められるって感じだったのが、もう星宮いちごさんのためのドレスを作られるくらいのところまできたっていうのが感慨深い

 

■ 『輝きのエチュード

・「わたしはいつも目の前の一人に伝わればいいと思って歌ってる、ぼんやりみんなにって思うより一人に絶対伝えたいって思うほうが、結果的には思いの強さでみんなに伝わるから」っていう花音さんの台詞、わりとよくあるけどいいですよねくらいに思っていたけど、のちのちで効いてきた

・大空あかりさんはここで本当に「星宮先輩のもつ神崎先輩へのあこがれ」を理解するんだと思う。事実としてはわかっていたけど、その気持ちがどういうものなのか、芯の部分を、その切実さを、自分に重ね合わせて理解できた。だから神崎美月さんにぶつかっていけた。ただ大好きな星宮先輩のためってだけじゃなく、可能性としての自分を救うためでもある、っていうか

 

■ 大スター宮いちご祭り開催

・ドリアカ魂! のシーンでまた涙ですよね、流れるよね、しかたないよ。うおおおやったードリアカのみんなだーって。また会えたよ。また音城セイラさんに、冴草きいさんに、風沢そらさんに、ちょっと遅れて姫里マリアさんに、ドリアカのみんなに会えたよ。また会えたよ。離れてもずっと友達って100話の『フレンド』の歌詞で言ってくれたことはほんとだったよ。「もうすぐそばにいつもいられない」でも「どんな瞬間も友達だから」って

・大スター宮いちご祭り、最初が『アイドル活動!(Ver.Rock)』とか、2期最初のイッツミー! を彷彿とさせて、まさに帰ってきたよ! ですよ。3期始まって主人公から退いた星宮いちごさんだけど、このお話では主人公、このお話は星宮いちごさんのお話ですよ! っていうのを強く意識した。最初のマイクぱしーんがもう本当にかっこよくて

・曲が途中でカットされて、尺あるからしかたないってすぐ納得しつつ、これBlu-rayとかでは全曲ノーカットで収録してくれますよねって気持ちに。無茶言うな

・『ダイヤモンドハッピー』でソレイユの輝きを見せてくれてほんと嬉しい。ソレイユ……ソレイユ……。ソレイユ大好きだから

・『ハッピィクレッシェンド』って選曲は一瞬意外だなって思ったけど、ソレイユの3人に有栖川おとめさんが加わった初期4人メンバーのステージも見せてくれて嬉しいし、何よりこのシーンの有栖川おとめさんの輝きがもう本当にさすがスターライトクイーン! って感じにきらきらしてる。よく考えるとこれドリアカの4人に対応した裏返しのスターライト版『ハッピィクレッシェンド』なんですね。ドリアカ4人の『ハッピィクレッシェンド』のライブシーンすごくすごく好きだから嬉しい

・そして2wingSの『フレンド』はイントロでぴょんぴょん跳ねてる星宮いちごさんが本当に楽しそうで、本当に全身で弾む二人だなあって。短いシーンだったけど100話に劣らないくらいきらきらしてる2wingSが見られて嬉しかった。なんか無邪気に楽しそうで。『フレンド』って聞くたびに心に染みてくる。トゥインクルスターカップのときの目の前のゴールに全力だった『フレンド』と、「ゴールの先には新しいスタート」のその先のスタートを走りだした『フレンド』はまた違って聞こえるよ

・うしろのスクリーンのロゴ右上ミニいちごちゃんがぴょこぴょこ出たり隠れたりするのがかわいい! いい仕事!

 

■ 特別生ドラマパートは意外な嬉しさ

・生ドラマパート、今までのドラマパート総ざらいな感じで喜び。ライブのほうが嬉しいかもって一瞬思ったけど、今までのドラマキャラクターが次々に出てきて心が盛り上がってすぐ手のひら返ししてしまった

・イケナイシリーズは霧矢あおいさんが警視総監にまでなって嬉しいけど、一方で神谷しおんさんはもうイケナイ刑事としては出ないのかなってちょっと寂しかったから、復活のイケナイ刑事が本当に嬉しかった。それからアラビアンロマンスコンビによる怪盗スワロウテイルにまさかのチョコポップ探偵まで加わってくれて、そのあとしっかりアリスのトランプ兵にクールエンジェルスの舞台まで出てきて。特にチョコポップ探偵は自分でもなぜかわからないくらいうおーって嬉しくなった

・姫里マリアさんはドリアカ勢ではスポット当たるシーンが少なかった気がするので、ここで見せ場を作ってくれて喜び。そして大スター宮いちご祭りでもしっかり崖登りしてくれた

・ライブの裏ではまさかの2回目のYes! スカイダイブかえで寿司! 嬉しい。ありがとうありがとう

・藤堂ユリカ様の華麗な着地、スカイダイブ重ねた甲斐があったなって感じだし、再三オチに使われてて(一ノ瀬かえでさん登場でスルーされたり経理担当の反応だったり)溜めて溜めてここぞでかっこ良く決めたあたりさすが藤堂ユリカ様! って感じ

 

■ 関係者席にもちゃんといるよ

・関係者席、ファン(らいちだよ! らいちだよ!)の視線に気づかない振りでさりげなく「まぶしっ」って持ちネタやって期待に答えてくれる三ノ輪ヒカリさんマジ地下の太陽だなって思いました。地下のカリスマのプロ意識よ

・夏樹みくるさんが来てくれてうわあーってすごく嬉しくなる。出番はちょっとだけど、もういてくれるだけで本当に嬉しいよ。また夏樹みくるさんと神崎美月さんが会えて、言葉を交わせて、それだけで本当に嬉しい

・神崎美月さんが来たとき、階段を下りてくる神崎美月さんから大空あかりさんをはさんでピントずらして、神崎美月さんを見る瀬名翼さんに焦点を当てたの、瀬名翼さんは神崎美月さんに何か思うところあるのかなって思った。けどあれは大空あかりさんのドレスの伏線だったってことなのかな

 

星宮いちごは迷わない

・みんなと一緒にステージに立って、みんなのがんばりでドレスも間に合って、支えられて思いを受け取ってきた今、ひとりでステージに向かうそこでフィッティングルームシーンを描写されたら、まあ泣きますよね。フィッティングルームてほぼ毎回描写されるけど本当に好きで

・フィッティングルームは裏だから照明も暗くて、それで扉が開いてまばゆい光が漏れだすんだよね。目の前に立ったアイドルたちの瞳が揺れて目がきらきらして、手元のカードに目を落として、再び顔を上げたら瞳の揺れがおさまってる。あこがれが目標に、決意に、意志に変わる瞬間ですよ。正面から光を受けて、こちら側からは影になった背中が見えて。光に飛び込んでいくそのアイドルたちの姿が本当に尊くて

・視聴者はここまでずっと彼女たちの視点で物語を見てきて、でもここが自分たちの手から離れていく瞬間なんですよ。ライブシーンは敢えて完全にアイドルたちの主観を切り離した観客目線で描かれるから。ほんのちょっとだけ寂しさがあるけど、でもそれ以上に輝きに対するあこがれとか、尊さとかを感じられる。そういうふうに描いてくれるから、劇中の大空あかりさんが星宮いちごさんにあこがれるのと同じ気持ちでアイドルたちの輝きを感じられる

 

・大空あかりさんから「絶対に連れてくる」ってメールをもらったけど、今ちゃんと神崎美月さんが見てくれているかどうかはわからない。でもここでの星宮いちごさんにそういう迷いはまったく見られない。それはみんながドレスを届けてくれたみたいに仲間(大空あかりさん)を信頼する気持ちもあるだろうけど、それ以上に歌の力を信じてるからだと思う。花音さんが「誰か一人に伝えたいって気持ちが強ければ結果的にみんなにも伝わる」って言ったみたいに、アイドルの歌は目の前の人に話しかける形式じゃないのに観客ひとりひとりが自分に向かって届いたって思えるくらい強い想いで伝わる。それがアイドルで、アイカツだから。それがわかった星宮いちごさんに、もう迷う必要なんてない。今この瞬間を見てもらえるかどうかを超えて、いま自分がここで歌っているというそのこと自体がメッセージだから。それは歌に対する信頼だし、自分の歩いてきた道やアイカツそのものに対する信頼だし、神崎美月さんへの信頼なんだ

・『輝きのエチュード』、星宮いちごさんを背中から天井を仰ぐように映すカットがあって、そこで星宮いちごさんは空に向かって手を伸ばすんだけど、どこか差し伸べるようにのばしてるそこで伸ばしたその先には丸い照明の光があって。それはまさに月じゃないか。月の輝き、神崎美月さんじゃないか。そう思って、ああ本当に想いが届いたって心に響いた

星宮いちごさんがトップアイドルになる瞬間を見るのが怖かったって言う神崎美月さんに胸が痛くなった。やっぱり神崎美月さんだってひとりの人間で、でも健気で強がりだからそういうところを誰にも見せることができなくて隠しちゃって、そのことが誰かに寂しい思いをさせちゃうことはあるんだけど、でもしょうがないじゃん。それ以上に神崎美月さんだってしんどいんだもんて思って。ハァ。そこにまっすぐな気持ちでつっこんできてくれてよかった。ありがとう大空あかりさん

・あと、やっぱりそばにいてくれる大事な人だった夏樹みくるさんと離れたの、互いにポジティブな気持ちでした選択ではあったけど、やっぱり神崎美月さんにとっては相当なダメージだったんだなと思った

 

■ きらめく光のラインでつながった3人の『Let's アイカツ!

・「チャンスをつかめ」ってアイドル界の先輩として星宮りんごさんがアドバイスして「この二人がマスカレードなんだ!」って大空あかりさんが気づくところすごくよかった。声に出さず表情だけで表現するところがいいですよね。そのことをそのあと話題に出すわけでもないし、なんだか大空あかりさんが受け取った大切な贈り物って感じがした

・わたしの味方、ってカードにキスするところ、本当に大空あかりさんがドレスを大事にしてるんだなって思って胸がきゅうってなる。ドレスは自分をアイドルにしてくれるもの。彼女は「自分はいろんなものに支えてもらって手伝ってもらえてアイドルになれる、支えがあるからアイドルやれる」って強く思っている。なんどやってもうまくできないけどそれでもあきらめきれなくて、そんな自分がいろんなものに力をもらってアイドルになれた。そしてもっともっと、どんどんアイドルになっていく。大空あかりさんはそういうたくさんの力、自分の周りの支えてくれる力を大事にしようって本当に思ってるんだなって、感動する。この子は自分の小ささをよく知っていて、それでも大きくなりたいって思うことができている、その夢を支えてくれるものの存在をいつでも意識して大事にしているって。その思いの尊さ

・そのカードがスリーピングオーロラコーデ、『眠れる森の美女』のオーロラ姫なあたりいろいろ考えちゃう。あのキスは大空あかりさんの中のアイドルが目覚める瞬間なのかな。大切な儀式だ

星宮いちごさんがリラフェアリーコーデ=オーロラ姫を助ける妖精なの、ラストにきて本当の主人公引き継ぎの布石って感じる。101話から102話で交代したけど、ここが本当の引き継ぎ式なんだなーって。あと妖精リラはオーロラ姫の名付け親なんだけど実は王子の名付け親でもあって、そのへん星宮いちごさんのためにドレスを作る天羽先生を見て自分も作りたくなったっていう瀬名翼さんを連想する。星宮いちごさんが他のアイドルだけじゃなくそのパートナーとなるデザイナーの側にも(間接的に)影響を与えてる。ひとりのスターの輝きがどんどん広がって輝きを与えていく

・リラって名前を使うってことはここでの眠れる森の美女はバレエ(チャイコフスキー)準拠なんですね。オデットコーデの白鳥の湖とかもバレエだし

・神崎美月さん着替え後シーン、本当に本当にお美しかった。感動。なんてきれいなんだろうって感動した。今まで見てきたなかでいちばんきれいな神崎美月さんだとさえ思った。この人は本当にトップアイドルなんだなって思えたよ

・そして曲は『Let's アイカツ!』。本当の引き継ぎ式とか新しい流れを意識させる選曲だけど、でもそれだけじゃなく歌詞がいいですよね。「笑顔を届けたいから きみが世界の隅にいたとしたって」、うおー届いたよーちゃんと届いたよー美月さんに届いたよー! その証明が今だよ、隣で踊ってる神崎美月さんだよ……。星宮いちごさんの歌で見た人がすてきな明日を迎えられるって、その力があるって、何よりの証拠だよ

・ウウ、ありがとう、ありがとう

 

星宮いちごさんは太陽になった

星宮いちごさんがアイカツランク1位になって感極まる霧矢あおいさんをすかさず支える紫吹蘭さんの姿よ。星宮いちごさんがアメリカに行ってるあいだのその時間の、日本に残ったソレイユふたりの絆を感じる。霧矢あおいさんがどんなに星宮いちごさんを好きかってことを、紫吹蘭さんはほかの誰よりも知っている。ソレイユだ。三人の絆だ

 

星宮いちごさんは神崎美月さんに勇気をくれた

・フレッシュガールズカップのあと(28話)神崎美月さんは星宮いちごさんに「あなたは太陽になれるかもしれない」と言った。その太陽という言葉の意味。それは月に並び立つものとか月の輝きを超えるものとか、そういう単純な意味だけじゃなかったんだ。

・月の輝きは太陽の光を反射したものだ。月を照らす太陽。月に光をくれる太陽。神崎美月さんにふたたび力を、光を、勇気をくれた星宮いちごさん。いまこの瞬間、本当の意味で星宮いちごさんは太陽になったんだ

・そしてこの太陽はみんなから支えられて力をもらって、その力でいっぱいに輝いて、その輝きがまた誰かのあこがれになる、道しるべになる、力になる。バトンを渡したけど、渡されたほうが力をもらうだけじゃなく、渡したほうも受け取ってくれた子の意志と輝きで新しい力をもらう。本当の意味で神崎美月さんと星宮いちごさんのもとに光のラインがつながって、そこからまた大空あかりさんへとつながっていく

・「のぼっておいで」って優しくも厳しく、なによりあたたかい言葉を、いちばん必要なときにいちばん必要な言葉をくれる星宮いちごさん。大スターだ。本物の光だ。太陽だ

・そうだよね。夜空の星ってつまり恒星だもん、星は太陽だったんだ

 

■ エンディングがまたいいんですよね

・メドレーで流しながらドット絵ですよ。最後までよさしかない。絵はかわいいしおもしろいんだけど、見てると自然と今まで積み重ねてきた100話以上の物語を振り返るから感動しちゃう

・ありがとうアイカツ。ありがとう

 

2014/12/21 一部修正