日記/重力の強い星・春のパンまつり・矢車菊・夢見ることを自分に許す
4月某日/
裏のお山に登ったら頂上の広場的なところで猫に遭遇した。かまってウザがられたりするのが嫌なので離れたところに座ったのだけど、どうも人に馴れているようで近くに寄ってくる。あまつさえ足に擦り寄ってきたりするのですっかり困惑してしまった。
自分は金目のものも食べ目のものも持ってないのに。やめてほしい。気まぐれにそう愛想を振り向かれるとおろおろしてしまう。
べたついたところのある人間だから一期一会と割り切れず、次またここに登ったときに目で探してしまうかもしれない。
重力の強い星はおそろしい。自分は砂鉄のように無力である。
4月某日/
今年こそはと思ってヤマザキ春のパンまつりに参加していたんだけど、今の調子だと25ポイント貯められずに期間終了してしまいそう。かなしい。
週1くらいで0.5ポイントの食パン(6枚切り)を買うほか、たまにあんパンとか菓子パンを買うくらいで、なかなか貯まらんことよ。お皿ほしかったのに。
パン好きなんだけど、だからこそスーパー・コンビニパンだけでも神戸屋とかPascoとかいろいろ会社あるし、ヤマザキだけに忠誠を誓うというわけにはなかなかいかない。そもそも貧乏でケチだからあんパン買うにもだいぶ悩んでなかなか数買わない。
べつにお皿くらいふつうに買えばいいんですけど。なんていうか。こう。ウォウ~。
4月某日/
いただきもののレディグレイを飲むのが幸福。
オレンジピールや矢車菊の花びらが混ざった茶葉の山にさくっとティースプーンを差し入れるその瞬間がなんとも言えず嬉しい。香りを楽しむのも飲むのも嬉しいけど、いれるその過程もまたうきうきしてしまう。
矢車菊の青が楚々として可憐で、見ているとふわああってなるんですよ。もうちょっと興奮するとふおおおっともなる。
5月某日/
マーガレット・アトウッド/岸本佐知子訳『ダンシング・ガールズ』(白水社、1989)を読んだ。よかった。表題作は池澤夏樹編の世界文学全集の短編のやつにも収録されてると思います。
その「ダンシングガールズ」、物語ラストの”あらかじめ失われ”た楽園を”夢見ることを自分に許す”(p.207)部分がとても切ない。現実はグロテスクだけど、ここよりほかに人が生きる場所なんてない(だからこそ現実なんだ)、というこの世のかなしさよ。
おもしろかったので次は『侍女の物語』を読もうと思う。カナダ作家にはまりつつある。