日記/ガレージをラボに・たい焼き・カニカマ・ダメさ由来の

 

1月某日/

 ようやく『ベイマックス』(『Big Hero 6』)を観に行く。例によってレイトショーだけど、なぜか若いカップルが多かった気がする。でもそんな意識して周りを見たわけじゃないからよくわかんないな。

 おもしろかったです。背景のサンフランソウキョウがとにかくよかった。夜のネオンや裏路地の感じ、昼の坂や路面電車。あの家(お店)の前の坂はいかにもサンフランシスコって感じだけど、でも桜並木とかもあって東京っぽくもあった。

 あとガレージをラボにして何かを作るというのは本当に見ててわくわくする。あんまり関係ないけどGoldieBlox を思い出した。

 なんかネットで話題になってたらしいポリティカルコレクトネスとか日本のアニメ終わったとかそういうやつ(よう知らんけど)はいまいちぴんとこなかった。ひさびさに映画(またはアニメ映画)見てパーってなっちゃって言った、みたいなのだったのかな。震災のあとやたらインテリがひきつけ起こしたみたいに世界が変わるって騒いでたみたいなやつ。あっ、せっかくおもしろい映画見たのにしょうもないこと言ってしまった。

 ハニー・レモンはあのかばんとか昔の魔女っ子アニメ的なものを感じてかわいいなあってニコニコしてしまった。あとめちゃ足長い。

 散漫な感想だ。

 

1月某日/

 たい焼き食べたい!

 とくにこれといったきっかけや理由がないのに不意にたい焼きが食べたくなることありませんか? わたしはあります。ひとりで会話してしまった。いつもだね。

 でも食べなかった。

 

1月某日/

 インターネットってやっぱり情報&情報だから、嫌な事件が起きてるときとか(起きてないときがあるのか、というと口ごもってしまうけど)しんどい。目に飛び込んでくるので、単純に疲労する。ただでさえ冬は気持ちが低調になるのに。

 カニカマを炒飯に入れたらおいしかった。でもこれはレタスとかと一緒に中華スープやオイスターソースあたりで味付けしたあんかけにして炒飯にかけるほうがいいかも。カニカマって大人になって初めて食べたけどけっこうおいしいですね。

 炒飯て好き。それはなぜって、中華鍋でがーっと作ってお皿に盛って鍋を見ると、焦げも何もなく鍋の表面がきれいになってるから。

 おひたしとか酢の物とかスープとか添えたかったけど、食材ないしすごくお腹すいてたからがーって作ってばーって食べてしまった。

 

1月某日/

 ミランダ・ジュライ岸本佐知子訳『いちばんここに似合う人』(2010、新潮社)を再読中。

 最近ネット上などでレビューをちらほら見かけて読んだら、孤独とか痛々しいとか、自分の黒歴史を見せられる、高い自意識と現実のみすぼらしさの落差を暴かれるとか、そういうふうに書かれていた。確かにそうなんだけど、でもあれー? という気持ちに。で、再読。

 自分はこの短篇集に何か温かみを、そりゃあったかいってわけじゃないけどすっかり冷えきるより前のぬるいお茶くらいの温度は感じていて、だから見せつけられるとか暴かれるという言葉で表されるとほんの少しだけ違和感を覚えてしまう。それはなぜかといったら、たぶん描いてくれたということに意味があると思っているからだ。

 この世にはこういう種類の孤独やさみしさ、どうしようもなさ(報われないということではなく自分のダメさ由来のどうしようもなさ)があるんだということ。それにちゃんと気づいてくれていた、黙殺されなかった。見ないふりしないでいてくれた。視界に入ったからってべつに何もしてくれなくていい、寄り添ってくれなくていい。見えたものをどうにかしてほしいとかどんなふうに思ってほしいとかそんな贅沢は言わないし、翌朝には忘れてくれてかまわないけど、でも見えたものは見えたとして認識してほしい。そういう些細な欲望に目を向けてくれた。水をやってくれた。そのことが温かみじゃないか、と思っているからだ。

 自分はそっちのほうが先にきたのであれー? という気持ちになった。でも違うものを見てるというわけではなく、読者のスタンスによってどっちが目につくかとかそういう話な気はする。だから自分のあれー? の正体がわかったら、上で挙げたみたいなレビューもむしろあっそう見えもするよねなるほどー、となりました。すっきりした。よかったね。

 なんかまた散漫なことばかり書いたなーという感じですがおもしろい本ということは確かです。思う、思います。断言をさせるなよ。この世のありとあらゆることに責任取りたくないぞ。確かだと思います。入ってる短編、基本全部いいけど、「水泳チーム」とか好き。